本稿はアトリエさくら製作シリーズ4作目「新人22歳のお姉ちゃん裏モノAVデビュー!! 斎藤花子 イキ狂うねーちゃんのAVを、弟の俺がプロデュース!」のレビューです。
前作までのレビューはこちら。
本稿はアトリエさくら作の18禁アダルトゲーム「姉のAV」シリーズのレビュー記事です。 倫理観ゆるめの姉ちゃんと苦悩する弟のドタバタノベルゲーム いつの間にかAV女優になっていた[…]
姉AV +俺の方が先に好きだったのに
前回までと異なり、本作のヒロイン斎藤花子さんは借金500万を背負ったハードな状況からスタートします。
恋人に騙され精神的にも金銭的にも追い詰められた姉。
その姉を性的な対象として見ていたことを知られてしまった弟・天音(そぷら)。
ふたりの行く手には希望が見えず、たださまようのみ。
という少々重めの雰囲気の出だしですが、前作までのドタバタコメディ感は今作も健在。
トイチの借金を返済するためにFC3の動画投稿サイトに自分達でAVを投稿するというギリギリのところを攻めてくる内容になっています。
本作の印象として、今までのシリーズでも味わうことはできたのですが特に「プレイヤーの分身である弟の傍観者観」が強くなっていますね。
過去作では姉達は自らの意志でAV業界に身を投じていたわけで、そこに弟の思惑が介在する隙はなく、ある程度そこは切り離して見られたわけです。
しかし今作はAV女優・花子誕生に弟は深く関わっており、そのことが作風を今までと異なったものに仕立てています。
立役者であるならば当然美味しい思いが出来るはず、そうでなくてはならない、でもちょっとしたはずみでそうはならなかった。
自業自得とは言え突然蚊帳の外に放り出された疎外感をややコミカルなタッチながら味わえます。
あと表題で「俺の方が先に好きだったのに」ジャンルと書きましたが、より正確には「俺の方が先にヤリたかったのに」でしょうか。
性欲が優先して姉への思慕とか後回しになってるっぽいので。
読み進めていくと分かるんですけどやっぱり弟もどこか壊れてるんですよね。
あまりネタバレは出来ませんが「あ、それはいいんだ」となるエピソードがありまして、若者らしい心の揺らぎというか大きめのブレを感じました。
即堕ち姉ちゃん2コマ
一応ネタバレになりすぎない範囲のつもりですが、このあたり予想してたとはいえ面白かった。
最初はキモオタくん呼ばわりしていた金田くんに轟沈される花子さんはいきなりのクライマックスです。
これで終わりかと思わせておいて、まさかの第二弾も金田続投。
この時花子さんの目が泳いでいたというか言い訳がましいところがとても良かったです。
ここから弟巻き返しできるのか?というのは大きな見どころのひとつでしょう。
金田「さんをつけろよ」
金田さんは予想以上にいいキャラでした。
ただし前シリーズまでの友人・金田とは異なるキャラとしか思えないので、あの金田とは別人あるいは兄弟なのかも知れません。
チャラ男はあれは本人かも知れない。
金田くんは控え目に言ってもルックスは良くない、ガチオタ、服装に気を遣わない、今どきポスターでビームサーベルというおよそ女性とは縁遠い雰囲気を漂わせており、こんなことでもなければ一生平穏だったかも知れません。
しかし弟の過ぎた欲望のために人生を狂わされたひとりと言ってもいいでしょう。
二人目はチャラ男。
ただあまり細かくは言えないのですが、金田くんのああいうキャラは嫌いではないです。
自分を曲げないという一点で、正直弟の天音より好感が持てた。
大願成就はなるか
弟に性的な目で見られていることを知って拒絶、というのはこのシリーズにおいては前フリだと思っていますが、今回どうなるかは是非実際に見届けて頂きたい。
いやに実の弟を強調してくるし、花子さんは金田くんのマグナムに夢中だしどう転ぶか読めなかった。
というか以前の記事でも書きましたがシリーズの二作目まではパッケージに書かれていた「血のつながりはありません」表記は今回も無かったです。
それは「あえて書かなくても大丈夫だったから」なのか「わざわざ記載して目をつけられる方が厄介だから書かない方針にした」のか不明ですが、冷静に考えたらこのジャンルって下手にクローズアップされでもしたら倫理的に大ごとにされそうなので声をひそめておくのが賢明かも知れません。
こちらはフィクションを楽しみたいだけですので。