本稿はアトリエさくら作の18禁アダルトゲーム「姉のAV」シリーズのレビュー記事です。
倫理観ゆるめの姉ちゃんと苦悩する弟のドタバタノベルゲーム
いつの間にかAV女優になっていた仲の良かった姉に振り回される弟の葛藤と快楽を描くシリーズです。
基本的にビジュアルノベルというかクリアまでに数個選択肢があるくらいで後はモニターの向こうで展開されるエロティックなドタバタ劇を楽しむゲームなので特にテクニックなどは要求されません。
CGや舞台裏シーンを全部出すにはちょっと周回が必要になりますが、どなたでも気軽に楽しめるスタイルです。
2020年11月24日現在シリーズとして3作リリースされており、1と2は同じヒロインの連作になっています。
以下、個別にレビューします。
君は弟の苦悩を体感する
ねーちゃんいくらなんでもイきすぎだろ
それを成し遂げるにはAVしかなかったん?と問いたくなるのが「新人20歳のお姉ちゃんAVデビュー!! 悠木倫」1、2のヒロイン悠木倫(20)さん。
記念すべき一作目、本名で出演。
ねーちゃんいくらなんでもイきすぎだろ、というサブタイトルはダブルミーニングになっていると思われるのですが、いかがでしょうか。
個人的にはこういう倫理観アッパラパーなキャラ造型は割と好みです。
あまり語るとネタバレになってしまうのでセーブしないといけないのですが、デビュー作から「いきなりそこイくか」と唸らせられたりインタビューで経験人数と相手(いとこ)を事細かに語り、それを弟の勇くんが動画で観て呆れながらも静かに興奮したりひと通りの「親族が自分に内緒でAVに出てたら」展開を網羅してます。
個人的にこうしたAVものにおいて、女優の家族や親しい人物がその事実を知るのはビデオ等での事後報告になるというのは「どれだけショックを受けても全部あとの祭り」である点がとてもいいですね。
ウソだろオイ!オオィ!!と叫んでも頭抱えてもモニター上では淡々と物事が進行するという。
基本は弟である勇くん目線で話は進みますが、前述のような彼の心情の揺らぎや葛藤が事細かに表現されており、それがまた軽妙で読みやすい文章になっています。
特に本作では「姉が自分がよく知ってる親族とも知らないうちに関係を持っていた」ことが明らかになるとか刺さる人には刺さるポイントを的確に突いてきます。
そんな経験はありませんが、なんだか聞いてはいけない話を聞いているような気分にさせられ没入感が非常に高い。
また悪友の金田くんに姉のAVバレそうになった時は「いやそりゃバレるだろ」と勇くんの心境にプレイヤーがシンクロする巧みな構成になっています。
なにしろ本名だしな。
そして状況が進行して弟が自分のビデオをこっそり観ていることが発覚し…
時間が経つにつれお互いの意識、特に勇くんの姉への気持ちが変わっていくところが丹念に描かれており、一作目はこの緊張感がたまらなかったですね。
ラストはそういう方向に行ってほしいとは思いながら読み進めてましたが、ここまでじっとりと蓄えた勇くんの粘性のある感情がはちきれそうになっている状況に不覚ながら胸が高鳴りました。
俺のねーちゃんは激イキ巨乳のAV女優
続編ではちょっと色々マンネリになりつつあったのを「姉ちゃんが彼氏にAV出演を隠して婚約」という新手の火種をぶっ込むことで再び緊張感を保つことに成功しています。
やりたい放題だな倫ちゃん。
AVシーンはちょっと「1」ともかぶるところが出て来たような印象はありましたが彼氏であるいとこの道康(30)さんを勇くんと同居してるマンションに連れて来てドキドキ、のように見どころは前作同様盛り込まれています。
で、道康さん未来の弟になるかも知れない勇くんへの気遣いもちゃんと出来るいい人なので何であんな目に遭わないといけないんだろうなとエロゲやりながらしんみりしたのですがどんな目に遭うかは直接ご確認頂ければと思います。
ちなみにイチオシのシーンはある撮影で倫ちゃんがボロボロになって帰って来る夜。
大体何があったか想像はつくんですけど勇くんが全てを理解するのは後日。
あのプレイ時間にすれば少しの間。
ここに勇くんとシンクロしてドキドキしました。
一応悠木倫編は2作で完結したようですが、出来ればまた奔放すぎる彼女の活躍を見たいものですね。
ねーちゃん、どんだけセックス大好きなんだよ…
三作目は「新人22歳のお姉ちゃんAVデビュー!! 東雲美樹」となり、ヒロイン交代で仕切り直しです。
なぜかAVマニアの金田くんは続投しました。
よく分からんけど彼は三作にまたがって結構なキーマンなので、未プレイの方は彼の動向をチェックしながらプレイすると趣深いかも知れません。
さて本作のヒロイン東雲美樹(22)さんもまた年の近い弟をかかえた新進AV女優ですが、倫さんに比べるとちょっとクレバーというか賢しさが目立ちます。
サークルクラッシャー兼AV女優ってなかなかいいとこ突いてくるなと感心しました。
なのでこう、万人におすすめできるキャラではないのかも知れませんが別の男とセックスしてる時に自分のセックステクニックを笑ってるとかそういうシチュエーションがお好きな方には結構ハマると思います。
かなり限定された気もしますが、普段は気のいいお姉ちゃんなので憎み切れない愛嬌も持ち合わせた不思議なバランスですね。
あと立ち絵で全裸の男女が会話してるのがとても好きです。
美樹ちゃんはイケてない男を小馬鹿にしてたけど結構ダメな男に引っかかるタイプだと思う。
細部は省略しますが「これ以上イくとお気楽路線から外れそう」と判断したのか、東雲美樹編は本作をもって終了のようです。
何故そう思ったかは下記にて。
シリーズ通して良いシステムだと思ったのはクリア後のオマケに実装される主人公と別視点でのHシーンです。
例えば物語の進行上、なんかやけに待たされる時間があるなと思ったら姉ちゃんウラで撮影中とか。
上でも言いましたけど選択肢が少ないノベル系ゲームですが、こうした工夫があるので物語への没入感もより高まります。
本シリーズに望むこと
総集編、もしくは共演作が欲しい。
Wキャスト〜お互いねーちゃんには苦労しますなぁ〜みたいな。

女優同士で事後の感想戦とかあるとなおいいですね。
うちの弟のここが良かった、みたいな。
姉はみたびAVデビューする
この記事書いてる最中に「そういや最近アトリエさくら何リリースしてるのかな」と気になってホームページ見に行ったら新作発売間近。
本当にビックリした。
しかも今回はいきなり裏物。
(※倫ちゃんも当初無修正配信デビューだったような気がしたんですけど改めてプレイしたらその描写が見つからなくて、記憶違いでしょうか)
そして金田くんいきなり男優として参戦!?
オレもヤリたいのに、と悶々とする弟の明日はどっちだ!!
と非常に期待しています。
あと、改めてパッケージを確認したら悠木倫編の2本の裏面に「※この作品の登場人物は18才以上であり、血縁関係にありません。」と記載があるため色々と安心です。
なんで東雲美樹編でその文言消したのか気になるけど。
※斎藤花子編レビュー記事作成しました。
本稿はアトリエさくら製作シリーズ4作目「新人22歳のお姉ちゃん裏モノAVデビュー!! 斎藤花子 イキ狂うねーちゃんのAVを、弟の俺がプロデュース!」のレビューです。 前作までのレビューはこちら。 [sitec[…]