18禁サスペンスノベルゲーム「桜の庭」レビュー

大昔の自分に影響を与えたノベルゲーム「桜の庭」のレビューです。

本稿は「もう20年以上経ってるし多少ネタバレしてもいいだろ」という観点で描かれているため、ネタバレ多めの記事です。

読んでる途中で気になった方はそこで引き返すことをお勧めします。

 

親友の死に隠された謎を追うエロティック・サスペンス

 

<あらすじ>
大学生・広瀬耕治は妹・亜弓から親友・窪田俊の自殺を伝えられた。
何故彼は死んだのか。その謎を追ううちに彼は人の心が織りなす迷路に迷い込む。

 

前述の通り本作が世に出たのはもう20年以上前で、親友だった窪田俊の自殺の謎を恋人・美樹とともに解き明かすというゲームです。

ストーリーを進めるにつれ親友の仮面が少しずつ剥がれ、裏の顔が見え隠れし、そして時折挿入されるエロという感じです。

で、記憶に残ってる限りではなんで親友が死んだのか解き明かされるパターンは2通りくらいあって、真実にたどり着けないバッドエンドの方がやたら多いですね。

というかこの記事を書くために久々にプレイしたのですけど当時のゲームだけあって操作性があまり宜しくない。

オート、既読スキップ機能がないので当時の自分はよくこんなの周回できたなとちょっと感心しました。

ボイスも飛ばせないのかと思ったら右クリックで飛ばせて、ただし文章は左クリックが早送りになってて早回ししようとしたら左右を交互に連打するハメになるとか。

あと選択肢が結構あるノベルゲームなのに、セーブデータが9つしかない。

改めてプレイしてもシナリオとは関係ないところで結構厳しめの作品だったのですが、本作で一番鮮烈だったのは次の項なのです。

 

妹肉奴隷展開がやたら豊富

 

主人公の彼女・美樹も輪姦されたり俊の姉・涼に抱かれたりシナリオの見えざる手によって身を引かされたり結構ひどい目に遭ってますが個人的に一番苦汁を舐めてるのは主人公の妹・亜弓だと思われます。

この物語において何パターンか妹がかかわってくるエンディングがあり、ほぼほぼ俊の雌奴隷と化してる。

困ったことに調教完了したまま当の俊が亡くなっているため制御の効かないビッチになり果てています。

で、よせばいいのに主人公がそれを知っちゃってガックリする的な。

ヒロインとのバッドエンドも存在しますが衝撃度が高いのは「もう誰でもよくなってる妹」を見てしまう方だと個人的には思っています。

しかも複数パターン存在。

何気なく移動した先で妹が壊れてる。

おまっ、ちょおまっ、ふざけんなよ!!と身を乗り出してしまい、親友の死の真相などどうでもいいから妹のカウンセリングをさせろとなるため精神的に続行不可能となります。

そんな中でも破壊力抜群なのは俊が遺してくれた妹調教を録画したテープのうち、自分と俊が「迎えに来たぞー」「おー今行くー」と何気ないやり取りをしていた裏でくわえさせてましたってやつ。

お前マジふざけんなよと主人公と一体化と言っていいほどシンクロしてしまうので心のキャパが低い時にはおすすめできません。

上の方でだいたい肉奴隷と言いましたけど、親友の彼女・明日香とハッピーエンドルートでは親友にプラトニックな横恋慕をしている、にとどまっているので一番マシだと言えましょう。

それでも「お兄ちゃんだって明日香さんのこと好きになっちゃったんじゃないの!」とひどい逆ギレ発言ありましたが。

それ以外は俊が明日香と付き合いつつも亜弓を調教しており、どう転んでもクソビッチコースなので妹を汚さないようクリアしたいならトゥルーエンドを目指しましょう。

タイミングが悪くて明日香が絶賛調教狂乱中の亜弓と遭遇するとか色々レベルが高いシチュエーションもありますのでこれから挑まれる方は頑張って下さい。

そんでまあ、こう色々と妹の変わり果てた姿を見るたびに「なんで親友の死の真相なんか追っかけなきゃならないんだ」と捜査のモチベがずんずん下がっていき、一応トゥルーエンドを見たはずなのに俊の印象が薄いのは記憶から消したかったからかも知れないと結論が出てしまうのです。

ゲーム開始時は普通そうに見えた妹が実はとっくにおかしくなっていた、という取り返しのつかなさ。

このゲームはそうした無力感を味わうためのものかも知れません。

もしかして明日香と髪型がちょっとだけ似てるのは亜弓が自発的にやったのかも知れないとか色々深読み出来ますしね。

黒髪眼鏡の大人しそうな女子(明日香)をヒロインに持って来るとかだいぶ頑張ったなと思いましたけど、スタッフ的には亜弓がヒロインのつもりだったのかも知れない。

 

全員調教中という地獄絵図(本編にはありません)

 

気世乱氏はいずこへ

 

いつか他のテトラテックゲームについて語ることもあればと思いますが、そもそも本作をプレイした主な理由は原画担当であるイラストレーター気世乱氏の絵が好きだったということでした。

「プライベートガーデン」シリーズ「プライベートルーム1」も担当されており、特に「プライベートガーデン1・2」時代が好みな画風でした。

「桜の庭」でもその筆は遺憾なく振るわれています。

欲を言うならもっとエロいシーン多めに欲しかったところです。

「プライベートガーデン」が1キャラにつき3エピソード、それぞれ2〜3エロシーン、それが5キャラ分だったことと比較するとどうにも本作のボリューム不足の感は否めません。

シリアスなストーリーに官能シーンを差し挟むのは難しかったであろうことは想像出来ますが、せっかくの魅力的なキャラが活かしきれなかったように思われます。

明日香のバイト先「リトル・ガーデン」の店主・由理さんとかもうワンシーンくらい見たかった。

そんな思いを込めて、ファンアートを描かせて頂きました。

 

文章だけで飛ばされたシーンのファンアート

 

エロシーンも入り方はいいのに描写が結構タンパクなんですよね。

ところで、気世乱氏は上記ゲームの原画を世に出した後、一般人の私では足跡を追えなくなってしまいました。

活動時期がもう二十年近くも昔なので新作にお目にかかることはないかも知れませんが、自分の眼に影響を与えた作家のひとりです。

 

思い出補正はあるが、気になる作品

 

上記の通りUIまわりはひどいものなので、万人にお勧めできる作品ではありません。

なんか彩色も「未完成?」ってくらいの仕上がりですし。

冒頭の村上春樹っぽい文章も人を選ぶと思うのですが、キャラデザの魅力も手伝って久々に半日ほどハマってしまいました。

興味がわいた方は今ならそんな高くありませんので試しにプレイしてみてはいかがでしょうか。

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