久しぶりの記事になりますが、「セーラー戦士 ヴィーナス・ファイブ」から30年の節目の年に色々思うところがあったので記事にしました。
ちなみに現在では「セーラー戦士」というキャッチは消されております。
※DVD版ではOPに思い切り残ってますが。
全員金星由来の美少女聖戦士
ゴレンジャイとか連想しますよね。
アカレンジャイとキレンジャイに偏るみたいな「全員金星かよ」っていう。
時期的にはヴィーナスファイブの方が早いはずなんですけど。
ストーリーは全世界を淫魔の世界に変えることを目論む淫魔国皇帝ネクロスとその野望を打ち砕くために立ち上がったセーラー戦士達が戦いを繰り広げるという正統派バトルヒロインものです。
どう考えてもセーラームーンのパロディなんですが、私はこういう「ちょっとズラした」パロディが割と好きです。
元ネタは完全にアレだよね…というのは暗黙の了解としてありつつ、意外とそのまんま客にお出しされるものって少ない気がしますね。
そのへんはクリエイターの矜持がなせる業なのかも知れません。
まああまりにそのまま過ぎたら叱られるからという事情も否定できませんが。
ヒロイン達が女神アプロディテのしもべという設定も恐らくは元ネタが最初はヴィーナスの活躍(コードネームはセーラーV)から始まったのを踏まえてると思われるので、リスペクトも抜かりありません。
それ以外にも
- 主人公達が戦いに身を投じるきっかけになったのがアプロディテの従者の猫・ブッチャー(オス)
- 主人公達をサポートする役割の男性キャラ・神奈川 健(アプロディテの弟であり神の化身)
- 淫魔皇帝ネクロスの配下にはサターン公爵(侯爵?)・ウラヌス伯爵・ネプチューン子爵・プルートー男爵と星にちなんだ淫魔四天王
ここらへんは流石に変えても良かったんじゃ?
元ネタと違って神奈川健は戦闘面では何の役にも立たないというのは「ズラし」の一種と解釈できなくもないですがそもそも居る意味もあまりよく分かりませんでした。
ここのところはヴィーナス・ファイブがシリーズ化していればまた違った印象になったのでしょうか。
ちなみにサターンの爵位が曖昧なのは、エンディングテロップを見ても人間の名前(淫魔が人間に擬態し、主人公達が通う学園に教師として赴任してきた設定)で記載されているためどちらか判断付きかねたのです。
せっかくなので記載しますが、淫魔四天王の人間態の名前は「土屋博人」「天野義弘」「海野宏志」「冥野秀樹」とのこと。
2024年で一番どうでもいい情報かもな。
色々と惜しい作品
脂が乗ってた頃のdez作品だけあってクオリティは問題なかったと思います。
変身シーンも2話冒頭はかなりいい出来でしたし。
しかしエロアニメ視点で観ると惜しいのが「主人公達のセクシーシーン」。ヴィーナス・ファイブは「淫魔の舞踏会」と「淫魔の迷宮」の2作が存在するのですが、クライマックスがどちらも「ヒロイン達が天井から吊るされて責め苦を受ける」形式。
続けて観ると「また!?」となること請け合いです。
一応触手が大事なところに侵入したりしてるのですが、出来ればもっと長い尺で観たかった。
オチも2作共通で「淫魔帝国に勝利するもののアポロンの棺は敵の手に渡り逃げられる」という天丼で、もうちょっとなんかあっただろと思うし。
あと途中からアプロディテ様とネクロスのエロ茶番が始まるので割と興が削がれる。
そもそも敵の親玉と味方のボスが顔見知りでそこまでバチバチにやり合ってるわけでもなさそうというのが緊張感も一緒に削がれますね。
永い眠りについているアポロンが復活すると世界が淫魔の手に堕ちるはずなのに、なんでそんな呑気なキャットファイトやってるんですかね?
セクシーシーンに関しては折角異形の淫魔幹部が4人もいるんだから彼らに襲わせれば良かったんじゃないかと思いました。

ただし、モブのセクシーシーンは色々趣向を凝らしてるなと思ったので「なんでこれをヒロインにやらないんだろ」と不思議な気持ちになりました。
フルーツを女性のアソコに挿入してから食べるとかちょっとよく分からないプレイなんですけどお好きな方にはたまらないんでしょうか。
集団ヒロインものとして見ても「惜しい」と思うのは、折角素晴らしいデザインの少女達が集ったわけですから関係性がもっと描かれれば面白く転がったのではと感じます。
「誰それとウマが合う」とか「いつも一緒に行動させる」とか、受け手に色々妄想させるような描写があると感情移入もまた違ったのではないかと。
例えばヴィーナスレッドこと美山もゆは承認欲求高めで周囲に強く当たりがちなタイプなので、メンバー加入後しばらくはその性格を活かしてみるとか?
なんか急に「アタイ」とか言い出したのはちょっと面白かったですけど。
しかしまあそのあたりは尺の都合とかもあったと思われますので、私のような素人がアレコレ考えてもラチのあかぬ妄想でしかないのですが。

画像はほぼ全裸ですけど、本編のコスチュームは揃いのトップスと個性的なボトムスで統一感皆無のシルエットになっています。
美空あいさんのはボトムスというより「コスチュームを穿き忘れて出て来た」みたいになってるのが作り手も差別化を図ろうとして大変だったんだろうなと思わされます。
祝30周年・淫獣聖戦と同期
ノリがいわゆる淫獣シリーズと異なるライトな感じではあるのですが、同年7月に聖獣伝ツインドールズ(淫獣聖戦シリーズ)が世に出ており、聖戦のモブキャラに本作の主要キャラデザインが流用されているほど両者は近い間柄にあります。
(淫獣聖戦のムックの方に載ってました)
半年ほど空いたとはいえ淫獣聖戦という強いコンテンツがあったのはヴィーナス・ファイブにとっては不利だったというかあと2話くらいあればもっと印象は変わったと思うんですよね。
上でも書きましたが、最重要アイテムアポロンの棺を「また」奪われた上に敵組織は健在という、誤解を恐れず言えば全てが未解決のまま何となく終わってしまっているので。
しかしミロのヴィーナスが両腕が失われた不完全な状態でも人々の心を惹きつけるように、本作も円満とは言い難い終わり方を迎えたからこそ30年経った今も私の心に刻まれているのかも知れません。
いややっぱあの打ち切りみたいな終わり方はどうかと思うわ。